ビジネススキルも習得可
近年、薬剤師の中ではドラッグストアへの就職・転職が人気となっています。ドラッグストア側も事業展開を広げるためには医薬品が扱える薬剤師の確保が必須であり、高給与・高待遇で人材募集を行なっています。
ドラッグストアでは、薬剤師としての通常業務も経験できますが、店舗経営を通じて経営スキルも習得することができます。
もちろん調剤業務や医薬品の販売に伴う処方箋受付や服薬指導、薬歴管理等の業務を行ないますが、店長としてお店の運営に携わることも多く、売上管理から販促業務、人材管理まで幅広く店舗経営のスキルを学ぶことが可能です。
さらに、ドラッグストアではパートやアルバイトとして薬剤師を募集していることも多く、時間に制約がある人や、家庭や育児との両立を図りたい人にはおすすめです。
登録販売者の誕生で薬剤師に影響は？
かつては、薬剤師がいないと医学品を販売することができませんでした。しかし、登録販売者制度が誕生し、現在では登録販売者の資格保有者がいれば、薬剤師がいなくても第二類・第三類の医薬品を販売できるようになっています。
これに伴い、店舗によっては第一類の医薬品の取扱いをやめ、登録販売者による運営に切り替えているケースもあります。
登録販売者の方が人件費も安くコスト削減にもつながります。したがって、最低限の薬剤師と多くの登録販売者で運営していくドラッグストアが出てきてもおかしくは無い状況です。
しかし、登録販売者のみに特化した事業展開はお客の利便性と収益面から考え難く、現に最近では調剤併設型のドラッグストアも増加しています。
当然、調剤業務を扱うので薬剤師は必須となります。したがって、これまでの薬剤師だけに特化した展開は無くなるかもしれませんが、登録販売者を設置することは業務の多角化の一部に過ぎず、今後も薬剤師の需要は継続していくと考えて良いでしょう。
第一類の医薬品はロキソニンやリアップなど人気商品が多く含まれているため、売上に貢献する商品を取りやめる方向に進むことは多くはないでしょう。
ドラッグストア薬剤師のメリットとデメリット
ドラッグストアで働くことは、薬剤師業務だけでなく店舗経営まで携われるのでビジネススキルを習得できます。
また、一番の魅力は待遇の良さでしょう。病院や薬局に比べてドラッグストア薬剤師の年収が高くなります。
さらに病院や薬局と違い、OTC販売についての知識が習得可能な点もドラッグストアで働く強みとなります。
いっぽう、ドラッグストアでは様々な商品を販売し、管理する必要があるので、薬学の専門家として知識を活かしたい人やキャリア形成したい人にはデメリットに感じるかもしれません。
また、ドラッグストアでは２４時間３６５日営業の店舗も少なくないので、薬剤師の数が少ないと勤務時間が長くなったり、休みが取り難い傾向があります。
